学生アルバイトオススメ本
第120回 再会したい誰かがいる人にオススメ
図書館 学生アルバイト 石田沙弥香
私のオススメ
『NO.6再会♯1』
あさのあつこ著
講談社 2025年5月発行
NO.6シリーズ最終巻発売から14年。私が最終巻を読み終わってから7年。最終巻で誓った再会をようやく、果たしてもらえました。
この作品はあさのあつこさん作の近未来SF『NO.6』の待望の続編です。いきなり続編を紹介してしまい申し訳ないのですが、今紹介しないでいつ紹介をするのか、という思いに駆られてしまいこの文章を書くに至りました。なんて言ったって今月は七夕、いわば再会を象徴するような日がある月ですから。ぜひ前作『NO.6』を読んでから、この『NO.6再会♯1』を読んでみてください。
聖都市「NO.6」で安泰な将来を約束されたエリートとして育てられた主人公、紫苑。しかし12歳の誕生日にネズミと名乗る少年と出会ったことで紫苑の世界は変わってしまう。運命的な出会いから4年後、「NO.6」の本当の姿を知った彼らは「NO.6」と戦うことになる。戦いが終わると、ネズミは再会の誓いを残して紫苑の前から姿を消してしまう。それから2年。NO.6再建委員会の委員長となった紫苑は不安定な政情や得体のしれない無差別暗殺者に悩み、ネズミの存在を切望していた。そんな中、紫苑はネズミの気配をそばに感じる。
今作は前作の要素を深堀していく点が多く、読み進めていく度その要素について深く考えてしまいます。前作で孤児を拾ったスラム暮らしのキャラクターの子育て。前作で崩壊した都市の再建をどう進めるのか。再会した紫苑とネズミのその先に待ち受けるものとは。 皆さんもぜひこの機会にこの少年たちの行く先を見届けていきませんか。
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