今月の展示
トリックアートを楽しんで!(2025年6月・7月)
トリックアートとは、実際にはない扉があるように見えたり、平面の絵が飛び出しているように見えたり、ビー玉がスロープを上るっているように見える立体など視覚の錯覚を利用したアート作品のことです。昨今では、作品の写真を撮ったり、錯覚の世界に自身が入り込む体験が出来るなど楽しみ方が広がり、人気が高まっているように感じます。
「だまし絵」もトリックアートのひとつで、本物と見間違えるほど写実的に描かれた絵や技法のことを指します。フランス語では「トロンプ・ルイユ」と言われ、古代ギリシャの絵画にもみられるほど古くからあります。また、津和野出身の画家安野光雅の『ふしぎなえ』も「不可能図形」というだまし絵の手法が用いられている絵本です。階段を上っているつもりがいつの間にか下っているなど書名の通り、「ふしぎなえ」がたくさん描かれている作品です。この安野が『ふしぎなえ』の制作に影響を受けたとされているのが、オランダの版画家エッシャーです。エッシャーは、位相幾何学の原理をヒントに、現実ではありえない錯視空間を描いた人物として有名です。
このほかにも浮世絵に見られる「寄せ絵」などトリックアートの技法はいろいろとありますが、今回のテーマが「トリックアートを楽しんで!」ということですので、まずは存分に錯覚の世界を楽しんで、不思議な感覚に浸ってみてください。※気分が悪くならないようご注意を!
トリックアートを作成することの出来る体験コーナーも準備していますので、関連書籍と合わせて楽しんでみてください。
島根県立大学・島根県立大学短期大学部松江キャンパス図書館
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